.目も当てられないギリシャ
ギリシャのチプラス首相は6月29日にテレビ出演し、6月30日に支払期限を迎えた国際
通貨基金(IMF)からの借金に関して期限までに返済できないことを明言しました。その
上で、7月5日に予定されている国民投票で、債権団側から金融支援を受ける条件とし
て財政再建策の受け入れを国民が選択したならば退陣する可能性に言及しました。結
局、チプラス政権はギリシャの国難に対して無力だったことが明らかになっただけな
のです。
これは、ギリシャ国民が一番よく解かっている筈で、ギリシャが緊縮策を取らずに融
資が受けられるなどという甘い考えは全く通用しないということを身に染みて解かっ
たのではないかと思います。ギリシャがチプラス政権を総選挙の結果誕生させたの
は、まだ、どこかに淡い夢を見ていたとしか言いようがありません。ギリシャは最
早、ユーロ圏に留まろうが、離脱しようが、茨の道しか待っていないのです。
これは、ユーロ導入時に描いた「バラ色の夢」、例えば、ギリシャ人がドイツ人のよ
うな暮らしがユーロ導入によりできるのではないかという錯覚は露と消えました。
ギリシャは、これから綱渡り状態の危うい中を生き残らなければ、ギリシャから人材
がどんどん流出して、荒涼とした国土のみが残るというような最悪の結果にまっしぐ
らとも言えます。実際に、既に若者の多くはギリシャから脱出しているようです。
とりあえず、7月5日まで、ギリシャは何とかしなければなりません。それができなけ
れば、国民投票を行っても無意味です。