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液晶の価格下落というカオス

液晶の価格下落というカオス

 

シャープが苦境に陥っています。2015年3月期は黒字予想から一転して赤字に転落しま

した。これは、高精細液晶の世界で価格の暴落が起きているからです。その震源地は

中国です。次々と新興企業が液晶に参入し、シャープでは価格の点で全く勝ち目がな

い高性能の液晶を既に生産しているのです。

 

シャープは、自社のスマートフォン向けの小中型液晶に関して、韓国・台湾・新興国

の企業が直ぐに太刀打ちできる液晶はできないと高をくくっていたきらいがありま

す。しかし、実際には、シャープが考えていた以上のスピードで液晶の世界は変革し

ているのです。最先端技術は既に日本の専売特許ではありません。液晶の世界はカオ

スの状態といってよく、価格競争に敗れた企業は退場することになるでしょう。つま

り、シャープが価格面で他国のメーカ―や日本のジャパンディスプレイとの競争に勝

たない限り、シャープは消滅するかもしれない瀬戸際に追い込まれています。

 

これまでは運よく、シャープは苦境に陥ると手を差し述べてくれる企業が現われまし

たが、世界の液晶市場において、シャープが消えたどころで何の影響もありません。

それほど激烈な競争の中に液晶があるのです。

 

今後、台湾・韓国・中国のメーカーがあっと驚くような先端的な液晶を開発するに違

いありません。その時にはシャープは存在しないかもしれません。シャープはもしか

すめと液晶から身を引かなければならなくなるかもしれません。それでもカオスの世

界で生き残ってゆくには、激烈な競争の中で確実にシェアを確保し、他を寄せ付けな

い「強み」がなければ、もう日本の液晶メーカーは消えるのみなのです。

 

これからは、先端技術でいかに液晶を安く生産できるかにかかっています。液晶は、

既に生産が過剰な状態にあり、価格は下落するのみと言われています。そんな中でも

生き残る足腰を培わなければ、日本のメーカーは液晶市場から撤退するは羽目になる

こと間違いありません。