パナソニック、中国・メキシコからテレビ生産を撤退
パナソニック、中国・メキシコからテレビ生産を撤退
パナソニックは中国とメキシコでのテレビ生産から撤退することを決めました。これ
は中国と北米でのテレビの競争激化によるテレビの価格の急落により、赤字しかもた
らさなかったテレビ事業のリストラを意味します。既に、ソニーや日立製作所、そし
て東芝やシャープではすでに海外でのテレビ生産事業を見直しを行っていて、パナソ
ニックの出方に注目が集まっていましたが、中国とメキシコからの撤退を決めまし
た。
パナソニックが中国での日本メーカーの生産の道を切り開いたメーカーであるので、
この撤退ということは象徴的なのです。中国での事の始まりは1978年の中国の鄧小平
氏が訪日した際にパナソニックの創業者の松下幸之助氏に中国近代化の協力を要請し
たことに始まります。これを受けてパナソニックは1987年にブラウン管の合弁会社を
北京に設立しました。しかし、最近では中国メーカーの台頭もあり、不振続きなので
した。
一方メキシコでは米国向けのテレビを生産してきました。しかし、」米国での価格競
争にメキシコ工場での生産では太刀打ちできないと判断したことにより、撤退するこ
とを決めました。
パナソニックは、栃木県、マレーシア、チェコの三か所に絞って高精細テレビなど付
加価値が高い商品に注力することになります。日本の家電メーカーは、いづれもテレ
ビ生産に関して見直しを行っていて、同事業の黒字化への転換を図っています。いつ
しか、テレビ生産は家電メーカーのお荷物になっていたのです。今回のパナソニック
の海外での生産の見直しにより、日本メーカーのテレビ生産の黒字化への道筋が出揃
ったことになり、これからはどんな高付加価値のテレビを生産できるのかにテレビ生
産の黒字体質への転換がかかってきます。