あれやこれも

あれやこれも、占いまで

VWの躓き?

VWの躓き?

 

1月29日付の日本経済新聞電子版に「トヨタ最大のライバル、独VWのつまずき」とい

う記事が載っていますが、果たして独フォルクスワーゲン(VW)は躓いたといえるので

しょうか。記事では、VWは北米での販売が不調で、現在、最も売れている中国でリコ

ールが相次いでいると言います。しかし、VWは日本のトヨタ自動車を今年には販売台

数で抜くことが確実視されています。そのために、VWM&Aを繰り返し行い巨大な自

動車企業になったのです。その手法がいいとか悪いとかの以前に、VWの計画は実を結

びそうなのです。

 

1000万台を超えて販売台数を競うこの現代において、販売台数が多いとか少ないとか

はあまり意味を持たないように思います。結局はどれだけ収益が出たかの問題に行き

着くのではないかと思います。その点、VWは利益率がトヨタに比べると圧倒的に少な

く、薄利多売で販売台数で世界一になろうとしています。№1の称号が何としてもほし

いのだと思いますが、これは、虚しい競争とも言えます。

 

唯、VWでの新しい試みとして「MQB」と呼ばれるモジュール・アーキテクチャが気

になる点です。MQBは多数のモジュールから構成され、様々な機種の自動車を組み上

げる基本構造のことなのですが、この移行がVWではうまく運んでいないということで

す。これがうまく移行できていないことから、利益率が現在のところVWは低いと言

え、しかし、MQBがうまく軌道に乗れば、一気に加速して利益率が向上するかもしれ

ません。

 

ところで、VWを陰で支えているのが日本の部品メーカーとのことで、MQBと日本の

部品がうまく組み合えば、これは無双の自動車メーカーになることは間近いありませ

ん。その点でもVWが躓いているとは全く思えないのです。これからもトヨタVW

お互いを意識し合い切磋琢磨しながらより良い自動車を生み出してゆくに違いありま

せん。この競争に米国の自動車会社が入って来られるのかどうかは、米国の自動車メ

ーカーの試み次第です。ちなみにMQB的な試みはトヨタでも近く導入するということ

です。