シャープの苦境
シャープの苦境
シャープが国内4工場の閉鎖や経営の柱としてきた太陽電池事業の売却・撤退を検討し
ていると報じられています。2015年度のシャープの連結最終赤字は1000億円を超える
見通しで、シャープが再び苦境に陥っています。
シャープでは主力銀行からの資本支援を得て、2016年3月期中に構造改革する見通しな
のですが、現在の延長線上での再建を考えているのであれば、シャープは露と消える
ことは間違いありません。
シャープは大型液晶パネルの巨額投資に失敗し、2012年3月期から2年間に9000億円超
の赤字を計上しました。その時に大規模なリストラは人員削減以外全く手つかずのま
ま現在に至っています。
しかし、2014年3月期には中国のスマートフォンメーカー向けの液晶パネルや太陽電池
が好調で、1000億円超の営業黒字を計上したことが結果としてシャープのリストラを
遅らせてしまいました。
しかし、ここにきて、シャープのリストラは一刻の猶予もないことがはっきりとし、
シャープとしては国内工場の閉鎖も視野に入れての再建を計画せざるを得ない状況に
追い込まれました。
これは、液晶以外に何で稼ぐのか明確でなく、また、海外での生産が主力の太陽電池
事業は利益率が大幅に下がっていて、こちらのリストラも必須です。
そもそもシャープは何で稼ぐのか。これがはっきりとしないうちはシャープの浮上は
あり得ないと思います。それを見つける時間の猶予はほとんど残っていません。遂に
詰将棋の詰みの状態にシャープがあるのでしょうか。液晶の雄というかつての称号は
とうに輝きを失ってしまったシャープには、この苦境を乗り切るだけの知恵があるの
か、厳しい目で問われていると思います。