アジア投資銀、参加50か国に迫る
アジア投資銀、参加50か国に迫る
中国が主導して設立するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバーとなるための申
請が3月31日で締め切られました。日米は参加を今のところ見送っています。しかし、
AIIBに参加を表明した国は、英国が参加を表明したことで堰を切ったように参加を表
明する国々が現われ、結局参加を表明した国・地域は50か国・地域に迫るものとなり
ました。
中国はこれを足掛かりとして米国中心の金融秩序に切り込み、中国独自の経済圏作り
を目論んでいるようです。
たぶん、中国は、独断専行すると思います。参加各国に対しては礼は尽くすとは思い
ますが、中国主導ということは中国の独断専行を許すと参加各国が看做したと中国は
理解していると思われます。
中国経済はまだ、自由化されておらず、その最たるものが中国の通貨・元で、これは
まだ、変動相場制へと移行していません。つまり、まだ、中国経済というものは統制
経済から民主化されているとは言い難いのです。この中国が主導するAIIBは、何とも
怪しいものに思えて仕方がないのです。たぶん、中国は「力」を付けたと思いたいの
でしょうが、まだまだ、中国経済は外資なしには成り立たず、内需による成熟した資
本主義経済には移行していません。
そんな中国が主導するAIIBは、中国のお目にかからないものはバッサリと切られ、中
国の思惑と一致したもののみがAIIBの出資を得られるという、中国の「力」の誇示の道
具となるのは間違いないように思うのです。中国は、欧州各国がAIIBに参加したこと
を内心笑いが止まらないだろうと思います。AIIBは米国から中国へと玉座が移った転
換点になるかもしれません。それでも、日本は武士は食わねど高楊枝と、空元気でも
毅然としてAIIBの出方を見つめていればいいと思います。時期にAIIBの正体が解かる筈
ですから。