車のコンピュータ化
トヨタ自動車が5年ぶりに中国とメキシコに新工場を建設するとの報道がありました
が、そこには「アーキテクチャ」という概念により工場を稼働させるようです。「ア
ーキテクチャ」という言葉はコンピュータ用語で「設計思想」とも訳されています。
つまり、現代では自動車は既に「コンピュータ」と考えた方がいいのです。それほど
に、現在の自動車の制御などにはコンピュータは欠かせなくなっいるのです。
そして、「アーキテクチャ」という考え方には自動車本体は、例えば、エンジンなど
は「標準化」されて、既にドイツのフォルクスワーゲンではアーキテクチャという考
え方が取り入れられ、自動車本体はモジュール化されて、それを組み合わせることで
自動車を組み立てるという標準化が進んでいます。
では、自動車はどこで差別化をするのかと言いますと自動車に搭載されたコンピュー
タの「ソフト」なのです。現在、自動車メーカーは自動運転車に心血を注いでいま
す。その自動運転車は言うなれば「走るコンピュータ」と言えます。自動車のハード
の面では最早、差別化を目指すのでなく、ソフトで差別化を図るのです。
それを実践しているのが、米国の電気自動車メーカーのテスラです。同社の主力車種
「モデルS」にはOS(基本ソフト)が搭載されて、パソコンやスマートフォンのように性
能や機能がアップデートすることで更新されているのです。アップデートする性能は
将来ネットからダウンロードして行うことが視野に入っています。
このような動きに対して日本のメーカーも指をくわえて待っているのではなく、積極
的に動き出しているのです。それが、トヨタの新工場建設なのです。自動車は既にコ
ンピュータなしにはあり得ません。そして、将来の自動運転車の開発を見据えて、自
動車に搭載する「ソフト」の開発に自動車の開発の重心は移ってきているのです。