シャープの迷走
家電大手のシャープが揺れています。先に1200億円以上ある資本金を1億円に減らし、
損失分を穴埋めするとの発表を取り消し、5億円にすることにしました。これに対して
菅義偉官房官が5月13日の記者会見で「常識的に1億円というのは国民に違和感があっ
たのではないか」と語り、シャープの迷走ぶりに誰もが?と思ったようです。
シャープは2015年3月期の連結決算が2000億円を超える赤字の見通しで、予想されて
いた黒字という状況には程遠い状態にあることが明らかになりましたが、シャープが
何で稼いでゆくのかが以前として不明です。液晶では最早シャープは現時点では敗者
でしかありません。見通しが甘かったといえばそれまでですが、シャープが何でこの
グローバル化の時代生き残ってゆくのか、その道筋が今のところ全く見えていません。
亀山工場ができたときがシャープの転換点で、そこから転げ落ちるようにシャープの
没落は急転直下のごとく始まります。一時期スマートフォン用の液晶パネルで黒字化
の夢を抱かせはしましたが、ふたを開けてみれば、大きな赤字という結果になりまし
た。
これはひとえにシャープが何で生き残ってゆくのかはっきりと示せないことが大きい
です。液晶で生き残ってゆくには、もうシャープの体力では難しいというのが実情で
はないでしょうか。
シャープはこの苦難の時期を何とか生き残って再浮上の機会をうかがい、反転攻勢を
かけるだけの体力気力が残っていればいいのですが、単に人員削減による延命を図る
のであれば、シャープに未来はありません。