福島第一原発事故、1号機の核燃料ほぼすべて溶解
福島第一原発事故、1号機の核燃料ほぼすべて溶解
東京電力は3月19日、福島第一原子力発電所1号機の原子炉内を、宇宙から地球に降り
注ぐ宇宙線の「ミュー粒子」を利用して透視した結果、圧力容器に本来ある筈の核燃
料が確認できなかったと発表しました。核燃料はもともと4m強の長さがあるのです
が、1mを超える塊は見つけられず、東電は「ほぼすべての核燃料が溶け落ちていると
理解していい」と説明しました。
これは予想されていたとはいえ、実際にその事実を突きつけられると福島第一原発事
故が人類が経験したことがない事故であったということがよく解かります。このメル
トダウンならぬメルトスルーは予想通りだったということが今回のミュー粒子という
素粒子の分析結果で事実だということが突きつけられた形になります。
ミュー粒子による透視の原理はミュー粒子という素粒子は宇宙線に含まれているので
すが、このミュー粒子はウランなどに当たると吸収されたり方向が買えられたりする
という性質を利用して原子炉内を透視したのです。高エネルギー加速器研究機構と国
際廃炉研究機構が、このミュー粒子を利用してまずは1号機の炉内の透視を試みだので
すが、何も写っていなかったということなのです。
東電では2号機でもミュー粒子による分析を試みるということですが、これも1号機同
様にブレイクスルーしていることはほぼ間違いなく、ブレイクスルーした核燃料の塊
をどのようにして回収するのかという大問題を解決することに主題は移ります。
また、炉心溶解してしまい、地中に固まってあるとみられる核燃料が地下水などの汚
染に関係していないかも注視して観測しなければなりません。この事実は重く受け止
めなければなりませんが、しかし、尚、安全が確認された原発の再稼働は行われるべ
きと考えます。この福島第一原発事故の反省の元に安全が確認された原発は再稼働し
なければ、割高な電気料金を支払うことになり、それが年々急激に増加することにな
るのです。それは避けなければなりません。