新興国の商品、値下がり
新興国の商品、値下がり
日本では4月1日に食品などの値上げが行われていましたが、しかし、世界に目を移す
とコーヒー豆や白金(プラチナ)などの主産国が新興国の商品(コモディティ)が値下がり
しているのです。これは外国為替市場でブラジル・レアルや南アフリカ・ランドなど
の産地の現地通貨が対ドルで下落しているためなのです。これにより、コモディティ
の産出国では更に輸出量が増えて、コモディティが値下がりすると見られているから
なのです。
唯、日本も対ドルで円安なので、食品等は相次いで値上げしたのです。しかし、これ
も産地の通貨安によりかなり緩和されたもので、もし、産地の通貨が対ドルで下落し
ていなければ、日本ではさらに大幅な値上げがあった筈なのです。
ブラジルが主産国のコーヒー豆を例にとるとコーヒー豆のニューヨーク先物価格は、
現在、1ポンド130セント前後なのですが、2014年は220セントまで高騰していました
ので、その下落の大きさが解かると思います。
コーヒー豆以外にもコモディティは総じて価格が下落しています。そして、コモディ
ティの産地の国の通貨が下落すると価格競争力が強まるために輸出量は更に増え、そ
れがまたコモディティの値下がりを呼ぶという循環にあるのです。日本でも、直にそ
の恩恵に預かれる筈ですが、果たして、日本のメーカーは国際的な動向に目隠しし
て、それを価格に反映することをしないのかどうかは、監視する必要があります。
そして、このもっとも解かりやすいものが原油の下落なのです。しかし、電気気料金
は値上がりしました。これは、再生可能エネルギーを電力各社が高い価格で買い取っ
ているためでこれを受け容れるかどうかはもっと議論になってもいいと思います。つ
まり、高い電力料金でも再生可能エネルギーならば受け容れられるという立場の人
と、電力料金は安いに越したことがないという人がいる筈で、これはもっと議論を尽
くすべき問題だと思います。