ギリシャ不安
3月14日に欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が量的緩和の継続を強調したことで世界的
に金利が低下し、世界的な流動性相場は続くということから15日の東京株式市場は値
を上げました。しかし、ギリシャ不安は拭い切れずに、「欧州発の次なる混乱」への
警戒感が出ています。
ドラギ総裁は米ワシントンの国際通貨基金(IMF)での講演で「買い入れプログラムを発
表通り継続する」と語り、2016年9月まで量的緩和の継続をすることを強調しました。
このドラギ総裁の講演と時を同じくして発表された欧州の経済指標が、市場の予想を
上回るものが相次いだために欧州市場では株高・金利低下となり、この流れが米国、
そして日本へと続きました。
しかし、尚も市場の懸念材料としてギリシャの問題がくすぶり続けています。ギリシ
ャ政府は現在、6月末に期限を迎える金融支援を巡って欧州連合(EU)などの債権団と交
渉している最中です。ドイツをはじめとする債権団はギリシャの年金の減額や最低賃
金の引き上げ凍結などを求めていて、しかし、反緊縮を掲げて総選挙を勝利したギリ
シャのチプラス政権側は、EUの要求に一向に応じる気配を見せていません。
交渉が難航する中でギリシャの資金は底をつきつつあり、事態はまっく楽観できない
状態なのです。
7~8月にギリシャは大規模な国債償還を控えていて、その時にもしかするとデフォル
ト(債務不履行)が起きるやもしれぬと市場では尚もギリシャ問題に注視していて、欧州
発の経済の混乱が起きるのではないかとの懸念が拭えずにいます。