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アジア支援、5年で13兆円

 

5月21日、安倍晋三首相は東京都内で講演し、アジア地域のインフラ整備に2020年まで

の5年間に約1100億ドル(約13兆円)を投じると表明しました。これは中国が提唱するア

ジアインフラ投資銀行(AIIB)に対抗するもので、アジアが中国のいいように使われるこ

とを懸念した日本政府が打った布石と思われます。

 

安倍首相は「アジアにおいて、いかなる国の恣意的な思惑によっても左右されないフ

ェアで持続可能なマーケットを作り上げよう」と述べました。具体的には国際協力機

構(JICA)が、低金利で長期間融資する円借款や投融資などで支援する資金を従来よりも

25%増やします。そして、JICAはアジア開発銀行(ADB)と連携し、民間事業に出融資

を新たに行う仕組みを作る、ということのようです。

 

日米が参加を見送ったAIIBはもうすぐ、その概要が姿を見せます。その時、中国が果た

して参加各国の満足行くようにポストを割り振ったり、AIIBの透明性をどこまで確保で

きるのか高みの見物ですが、仮にAIIBでの中国の発言力が均整を欠いたものとなってい

るならば、AIIBは「中国の銀行」との懸念が拭えず、参加各国の落胆は果てしないもの

と予想されます。AIIBで欧米勢がどのように扱われれるのかも注目すべきです。現在、

アフリカが日本と中国の援助合戦の様相を呈していますが、日本は、中国の挑発的な

資金援助に惑わされることなく、きめ細かで相手国の望むように資金援助するこれま

でのやり方を変に変えることなく、地道にアフリカ各国に対して礼を尽くす外交を行

うべきです。この点、札束で相手国の頬をたたくような中国の強引な資金援助の仕方

に惑わされるべきではありません。