円安
5月28日の東京外国為替市場で、円が2002年12月以来の安値を付けて、日本経済新聞
電子版などは「衝撃」と報じています。1ドル=124円台まで下落したその意味は報道
によれば、これまで円高基調となっていた為替市場の潮目が円安に変わったというの
です。それは、過去の為替相場の上下動を振り返ると、円高方向の波に対して円安方
向の波の揺り戻しが大きく、俯瞰的に見れば、これまで円高基調だったのですが、28
日の動きは実に33年ぶりりの出来事で、それは、所謂「全値戻し」というものなのだ
そうです。
円は変動相場制に移行した1975年以降、ドル・円相場は上下動を繰り返しつつも、一
貫して円高基調画でした。ところが、現在の日本の貿易収支やデフレの構造的な変化
が生じて、円高圧力は減退し、このことが円安基調を招いたと言います。
「33年ぶりの衝撃」、つまり、全値戻しが起きたことから、これからは、円安基調が
ますます進むのかもしれません。それはそれで日本には都合がいい面と悪い面の両方
がありますが、唯、海外へと超円高のときに活路を見いだして進出した企業が国内回
帰することになるかもしれず、人手不足はさらに深刻になり、人件費の高騰を招くか
もしれません。それはそれでよい面があり、しかし、それには物価上昇という流れが
確実に起き、それは年金受給者にとっては頭痛の種になるのは間違いなく、しかし、
デフレからの脱却は喫緊の課題ですので、この円安基調により、予想通りデフレから
の脱却に成功するかもしれません。