韓国のMERS禍
韓国での中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)による感染者が、未だに増加していて、初
期段階での封じ込みに失敗しました。これは、韓国政府の失態ですが、韓国国内では
このMERS禍により、混乱している模様です。6月8日現在、死者6人を含めて感染者87
人で、感染拡大はなお続いています。この感染拡大は、韓国政府の状況判断の過誤に
よるところ大で、対策が後手後手に回っていることも影響しています。朴槿恵大統領
は、今週内に拡大を止める覚悟で対応を強化するよう関係者に指示したと報じられて
います。
韓国での失態は、隔離対象者の情報が医療機関と政府との間できちんと共有されてい
なかったことに尽きるようです。最初の流行地、ソウル郊外の平沢市のある病院に
MERSに感染した患者が訪れたのが五月下旬のことです。平沢の病院に患者が訪問して
いた履歴があることが政府から伝えられたのは、それから数日後のことで、その期間
に患者と接触した医療関係者や他の患者に3次感染が起きたのです。
それも問題があるのですが、政府や自治体が動き始めたのが、既に病院内で院内感染
が起きている状況で初めて動き始めていることが問題なのです。さらに国民の不安か
ら政府がMERSが発生したり、患者が治療を受けた病院名の公表する方針に変更しまし
たが、既に手遅れでした。
政府は行方が解からない隔離者を探すために「対象者が持つ携帯電話の位置情報シス
テムを使ったケースもある」と言います。
最初に患者が訪れた病院ではその後、MERS感染者の新たな感染は起きていないと言い
ますが、しかし、中東のサウジアラビアに次いで世界で二番目に多くの患者が発生し
た韓国のお粗末な対応を日本としては対岸の火事として見てはいけません。