あれやこれも

あれやこれも、占いまで

米下院、貿易権限法案を再可決

 

米議会下院は6月18日に本会議で、環太平洋経済連携協定(TPP)妥結の前提となる大統

領貿易促進権限(TAD)法案を賛成多数で再可決しました。これは、可決のメドが立たな

い関連法案と切り離して、単独の法案として可決しました。これは今夏にもTPP合意

に向けて後押しするためのもので、上院の動きが注目されるところです。

 

TPPは中国主導で設立されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)に対抗するためには、日米

は特にTPPを推し進める必要があります。しかし、米議会上院ではTADの採決には難

航するとも見られていて、TPPの早期合意は不透明です。

 

TPPは特に日米にとっては痛し痒しのところがあり、日本でも農産物、特にコメに関

しては関税の引き下げには農家の人々は反対しています。とはいえ、最近の米価の下

落は日本の農家にとっては打撃となっていて、このような状況で、仮にTPPが合意に

至っても農家には何の得にもならないと思う人が多いのかもしれません。しかし、日

本の農業はすぐにでも国際化をするべきです。国内市場にばかりに張り付くことな

く、海外に目を向けて品種改良などを行い、更に日本の農作物の品質を押し上げて競

争力、つまり、日本ブランドとしての高級品で売り出すべきなのです。

 

それと並行する形で、価格を世界標準に引き下げる品目も新たに開発するべきです。

TPPをばねにして日本の農業は衰退する道から脱して、大いに「儲かる」生業として

しっかりと根付くことが望まれます。

 

また、製造業も、更なる品質の向上等、日々、切磋琢磨し、現在ある製造業における

日本ブランドを最大限に生かして、更なる飛躍を目指してほしいものです。例えばス

マートフォンにおいて、日本のメーカーは総じて出足が遅れたことが致命傷となっ

て、惨憺たる現状は、家電メーカーがいち早く海外に目を向けなかったことにその因

がありますので、もう、世界の潮流から取り残されない、つまり、ガラパゴスから脱

する努力は必要なのかもしれません。しかし、ガラパゴスでも高級品は日本ブランド

として相変わらず人気がありますので、それも大切にしながら更なる飛躍につなげて

ほしいものです。

上海映画祭「進撃の巨人」の上映中止

 

中国の上海で6月13日から始まる上海国際映画祭で、当初上映される予定となっていた

日本の人気アニメ「進撃の巨人」が急遽上映が中止となったことが解かり、中国のフ

ァンからは残念がる声が聞こえています。

 

上海国際映画祭は13日から21日まで中国・上海で開かれるもので、その開幕に先立ち

12日夜は日本の映画を紹介するイベントが行われ、ゆるキャラの「ふなっしー」が登

場するなどしました。当初の予定では「進撃の巨人」の劇場版など日本の八つの作品

が上映される予定ではしたが、主催者側が急遽、「進撃の巨人」の上映を中止するこ

とを発表しました。

 

主催者側は「技術的な問題」と説明していますが、これは中国政府が6月8日に「進撃

の巨人」を含む日本のアニメ三十八作品について「未成年者を犯罪に誘導し、暴力や

テロ活動などを誇張する内容が含まれている」としてインターネットでの配信を禁止

したことが影響しているものと見られます。

 

日本のアニメがひところのように世界中で放映されることが減ってきたのは、その暴

力的な表現のためと言われています。例えば「アルプスの少女ハイジ」や「赤毛のア

ン」、「フランダースの犬」などの「世界名作劇場シリーズ」などの良質なアニメは

世界中で上映されています。これらの作品をきっかけにして日本に興味を持って日本

語の勉強などをする人が多かったのですが、日本のアニメは「暴力的」との理由で、

最近では放送される国が中国に限らずに減ってきているのが現状です。

 

クールジャパンとしてアニメを世界展開するには、日本のアニメはその表現を再考し

なければならないのかもしれません。日本で古いアニメはセリフに放送禁止用語が含

まれているなどの理由で再放送されることがめっきりと減りましたが、これは大変残

念なことで、例えば、日本でも午後五時ごろにアニメの再放送は当たり前の時代が長

く続いていて世代間格差はなかなか生じなかったのですが、現在はその時間帯にアニ

メの再放送をする放送局はほとんどなくなり、一部のアニメを除いて、大人から子供

までが知っていたり見ていたりするアニメはめっきりと減ってしまいました。

 

これは文化的には大損失なことに思われ、懐かしのアニメには名作アニメが多いの

で、新たに作り直して再放送するなどできればいいのではないかと思います。

 

北海道の家族四人死亡事故について思うこと

 

6月5日に、北海道砂川市の交差点で軽ワゴン車が乗用車と衝突されるなどして家族四

人が死亡した事故が、暗澹たる気持ちを多くの人にもたらしているようです。それと

いうのも、此の世の無情と無常が余りにも酷く感じられ、突然命を失った家族の不幸

を、一体何にその原因を求めていいのか解からないためなのです。

 

何故、砂川市の一家五人は、爆走し、カーチェイスをしていたとみられる二台の乗用

車による事故に巻き込まれなければならなかったのか、その因果が解からず、しか

し、その結果の悲惨さは余りに酷く、此の世にもし神か仏がいるのであれば、一家五

人は事故に巻き込まれなければならなかった理由が明確にある筈で、しかし、その原

因が全くなきに等しいことから、一家五人が死傷した北海道砂川市の悲惨な事故がい

たたまれないのです。

 

偶然と必然との境がこの砂川市の事故は、曖昧にし、この悲惨な事故がまるで必然の

如く一家五人にのしかかり、結果として四人が死亡し、一人が重傷という何とも眼を

蔽いたくなる結果に、誰もが神や仏を恨んでいるようにも思えるのです。

 

この事故死した一家を知っている人の話を聞く限り、この一家が何故、事故に巻き込

まれて死ななければならなかったのかという因果は全く解からず、唯黙祷するのみと

いう結果に、誰もが納得できない現実の有様に悲しみがさらに深くなるのみで、此の

世に神も仏もいないのではないかというほどに悲惨な事故の結末のみが更に悲惨さを

際立たせるのみなのです。

差し迫るギリシャ問題

 

6月19日未明現在、欧州委員会のドムブロフスキス副委員長はギリシャとユーロ圏財務

相会合で、ギリシャ支援を巡る合意が得られなかったとTwitterで呟き、まだ、欧州と

ギリシャとの溝はなお深いようです。どうも、ギリシャはもう半ばデフォルト(債務不

履行)に陥っても構わないと覚悟を決めたかのようにも見えます。

 

ギリシャ国内では年金の金額の減額などを欧州連合(EU)、特にドイツから突きつけら

れ、しかし、もう我慢できないと緊縮財政などの締め付けを拒否する形で総選挙で選

ばれたチプラス首相は国内向けに最早EUの言い分を聞くことができないと、駄々っ子

のように振舞っていて、現在、ギリシャが置かれている現実に目をつぶっているの

か、チプラス首相がEUの要求を頑として撥ねつけているのが現状です。

 

しかし、ギリシャの言い分も解からなくはないのです。ところが、国家による粉飾決

算を行っていたギリシャができることは物凄く限られていて、もう、国内のなお一層

の締め付けを行わない限り、ドイツは納得しません。この状況下でも、何かの抜け道

があるかのような幻想をチプラス首相が考えているとしたならば、ギリシャのデフォ

ルトは確実で、欧州圏にとっては大きな問題になること間違いなしです。それでもEU

ギリシャに対して厳しく迫っているのは、仮にギリシャに対して手綱を緩めてしま

うと、スペイン、イタリア、アイルランドポルトガル等々、次々とギリシャと同じ

ように振舞う国が出て来ることを一番の債権国であるドイツは恐れているのです。

 

期限は月末に迫っています。国際通貨基金(IMF)への十六億ユーロの支払いを滞った場

合は、ギリシャはデフォルトに陥ります。さて、このまま、ギリシャとEUとの合意が

得られない場合、世界経済に少なからぬ影響が出て、ユーロに対して懐疑的な見方が

広がり、日本においては円高になると言われています。ギリシャはデフォルトに陥る

ことを善しとしているのかどうかは今月末までにははっきりとしている筈です。

年金機構、住所などの四情報流出は沖縄・福岡・栃木がほとんど

 

日本年金機構は、年金情報の流出問題で、住所、氏名、基礎年金番号、そして生年月

日の四情報が漏れたのは四十二都道府県の一万五千人余りで、その内訳は沖縄県と福

岡県、栃木県の加入者で九十七%を占めていることが解かりました。

 

日本年金機構は、システムから流出した個人情報は少なくとも百二十五万件で、この

うち、氏名、基礎年金、生年月日、住所の四情報が漏れたのは五万二千件とし、この

五万二千件の中で流出した人数は一万五千人余りで、都道府県別では、青森・岩手・

秋田・鳥取・徳島を除いた四十二の都道府県に渡っていますが、しかし、その中で、

もっとも多かったのは沖縄県の六千八百十三人、次いで、福岡県の五千八百三十六

人、栃木県の二千二百四人で、この三県で全体の九十七%を占めていることが解かり

ました。

 

また、この年金情報流出に乗じた詐欺事件で実害があったことも解かりました。それ

は神奈川県に住む高齢の女性が架空の団体を名乗る男などから「個人情報が流出し

た」と偽の電話を何度もかけられ、キャッシュカードをだまし取られてしまい、三百

万円が勝手に引き出されていることが解かったのです。

 

年金機構は、年金機構が電話をかけることはないと、注意を促していますが、まだま

だもこの年金機構の個人情報流出に乗じた犯罪は続くのではないかと思います。警察

の方でも警戒していますが、さも現実に存在しているような名前の架空の団体を騙

り、狙われるのは高齢者です。今回の年金機構の情報流出は詐欺事件を誘発させるに

はもってこいのもので、尚、注意が必要です。

ランドセルが世界的に流行の兆し

 

日本固有のものの一つにランドセルがあります。このランドセル商戦が現在非常に熱

いと言われています。6月12日付の日本経済新聞電子版の記事『なぜ早まるランドセル

商戦? 「ガラパゴス考現学』という記事にその内情が詳しく書かれています。その

中で日本のランドセルは日本特有の社会構造、文化、機能が詰め込まれた究極の「ガ

ラパゴス」商品でありながら、現在、ランドセルはクールジャパンの強力なコンテン

ツとして海外から熱視線を浴びているのです。

 

ランドセルが生まれたのは江戸時代末期のこと。徳川幕府が様式軍隊制度を導入する

のに伴い、オランダの布製のリュックサックを取り入れたのがきっかけなのです。ラ

ンドセルとはオランダ語の「ランセル」が訛ってランドセルになったようなのです。

そして、現在のランドセルの原型は1887年に、当時の内閣総理大臣伊藤博文が皇太

子(大正天皇)が学習院初等科に入学したお祝いに特注の皮革製の箱型ランドセル(学習

院型ランドセル)を献上したのが始まりと言われています。

 

ランドセルは実に機能的にできていて、また、丈夫です。ランドセルを背負えば両手

は自由に使えることや、転倒した場合のクッションの役割をして安全面でも優れてい

ます。このために、伊藤博文の献上以来、都市部を中心にランドセルは次第に普及

し、高度成長期の到来と団塊の世代の就学に伴って全国に広がったのです。

 

そのランドセルは、現在、クールジャパンの重要なコンテンツとして熱視線を浴びて

いるのです。海外からの訪日客がたくさん買ってゆくというのです。これは日本のア

ニメの影響で、自分が使うために買ってゆく人が多いのだそうです。例えば、赤いラ

ンドセルを颯爽と背負う写真をブログに載せている米女優のズーイー・デシャネル

んなど、現在、日本のランドセルは「格好いい」ものとして海外から熱視線を浴びて

いるのです。究極の「ガラパゴス」商品がクールジャパンの重要なコンテンツになる

というのは、皮肉であり、また、当然のことに思います。何故ならば、グローバリゼ

ーションの中で、地域が生き残るには究極のローカルなものが地域の強みとなるのは

自明のことで、「ガラパゴス」商品が世界から熱視線を浴びるのは何ら不思議なこと

ではないのです。

年金情報流出、謎が深まるばかり

 

日本年金機構サイバー攻撃を受けて約125万件の年金情報が流出した問題は、最初に

ウイルスに感染したことが解かってからウイルス対策をしたにもかかわらず、パソコ

ンがウイルスに次々と感染し、感染が拡大してきたということが解かってきていて、

「何故?」という疑問が新たに浮上してきました。専門家からは「見逃した“隠れウイ

ルス”があったのではないか」との指摘もあり、謎は深まるばかりなのです。

 

年金機構によりますと、5月8日に最初にウイルスに感染が解かったのは新種のウイル

スで、それを解析したセキュリティ会社は5月15日、「外部に情報を漏洩するタイプで

はない」との結果を報告しています。年金機構は、ウイルス感染を防ぐソフトを各パ

ソコンにインストールして、対策は万全の筈だったのです。しかし、5月18日に100通

以上の不正メールが非公開の職員のメールアドレスに届いたと言います。

 

セキュリティのある専門家はここで「最初に届いたメールに複数のウイルスが仕込ま

れていたのを見逃したのではないか」と指摘しています。そこで、未発見のウイルス

が駆除されないままに残り、他のパソコンにも次々と感染していたのではないかと推

測されると言います。

 

情報セキュリティ会社のカスペルスキーは、年金機構の被害に関して昨秋から政府関

連組織や企業に少なくとも数十の組織が狙われた攻撃の一環である可能性があるとみ

ています。

 

また、一連のプログラムの中には中国語の簡体字を遣った形跡があり、中国語を遣え

る人物が関係している可能性が高いとみられています。年金機構ではウイルス感染を

確認した8日から6月1日の公表までに、情報が流出した人から住所変更などの届け出が

計436件あったと言います。これは「流出情報を入手した人物が、受給者になりすまし

て年金を受け取ろうとした可能性がある」と言います。

 

さらに、年金情報流出に乗じた詐欺らしき不審な電話が各地でかかってきているとい

うことが報道されていて、この年金情報流出の問題は、まだ、しばらく尾を引きそう

です。